出版社・レーベルの紹介文

思考とことばに関する心理学的研究の名著。理論的・批判的研究に目を向けながら、児童期における言葉の意味の発達の基本的道程の解明と、子どもの科学的概念と自然発生的概念の発達の比較研究を行う。62年刊の全面改訳版。

目次

第1章:研究問題と方法

第2章:ピアジェの心理学説における子どものことばと思考の問題
■ピアジェの心理学説の概要
■自閉的思考について
■児童の自己中心性の根拠
■自己中心的ことばと自己中心的思考
■自己中心的ことばと内言の発達
■ピアジェの自己中心性理論の批判
■ピアジェ哲学の批判
■唯物論か観念論か
■結論

第3章:シュテルンの心理学説におけることばの発達の問題

第4章:思考とことばの発生的根源
■類人猿における思考とことば
■子どもにおける思考とことばの発達
■内言の発生
■結論

第5章:概念発達の実験的研究
■概念研究の従来の方法の批判
■実験の概要
■概念形成の過程の本質的モメント
■概念発達の第一段階
■概念発達の第二段階
■コレクション的複合
■連鎖的複合
■拡散的複合
■擬概念的複合
■擬概念の意義
■実験的分析の総括
■子どもの言葉の意味の転移
■融即と複合的思考
■言語学の資料との比較
■聾唖児のことばと思考
■第三段階の第一水準
■潜勢的概念
■概念の発生

第6章:子どもにおける科学的概念の発達の研究
■生活的概念と科学的概念
■自覚性の発達
■発達と教授との相互関係(書きことばと話しことばの心理/発達曲線と教授曲線/形式陶冶の可能性/発達の最近接領域/総括)
■科学的概念と生活的概念の比較研究
■外国語の学習と母語の発達
■概念の一般性と一般化の構造
■科学的概念の体系性と生活的概念の無体系性

第7章:思想と言葉
■思考とことばに関する諸学説の方法論の批判
■ことばの意味的側面と音声的側面との統一
■内言と自己中心的なことば
■内言の構文法
■内言の構造的特質
■思想および動機と言葉
■結び